今年の4月から、日本文化人類学会の機関誌『文化人類学』編集主任の仕事をしています。
前期編集委員会からの複雑な引継作業をひととおり終えたのち、このほど今期編集委員会が担当する最初の号、第81巻第2号が出版されました。
編集委員は20人の大所帯で、委員各位にさまざまな業務を分担していただいているものの、これがけっこうハードな仕事です。
査読をはじめとする種々の依頼メールや、査読審議メールの案文を作成・送信するのが編集主任の主作業である一方、編集業務に関わる受信メールだけでも、すでに9月半ば(仕事をはじめて5カ月半)の時点で1,000通を超えました。
また、各号の出版に先立って、編集主任だけは、編集の事務担当者とともにゲラを二校まで全読みしなければなりません。本誌は年4回の発行で編集委の任期は2年ゆえ、今後も3カ月ごとに、あと7回は産みの苦しみを味わう計算になります。
昨年度から仰せつかった東京外国語大学出版会の編集長の職務とあわせて、再来年の春まではなんとかこれら一連のタスクを日々の生活のなかでこなしていかなければなりません。
とはいえ、査読や校正のプロセスで投稿論文を(半ば否応なく)熟読する作業をつうじ、文化人類学のさまざまな問題系にかかわる最新の動向に対峙することのありがたさを、さっそく実感し始めていることも事実です。
文化人類学はいま、どのような相貌をとりつつあるのか。左に掲げた本号の目次(クリックで拡大)から、その姿を多少とも望見してもらえるように思います。今号では編集後記も書かせていただきました。
真島一郎 「編集後記」『文化人類学』 81(2): 385-386、
2016年9月30日発行。