ゼミ卒業生の真世さん(共同通信社)が、ひとつの生が生き抜く姿について重要なメッセージを社会に届けてくれました。限られた字数で深い内容の記事となりえたのも、自分ではないだれかの声を、その声が生き抜くまま、じっと聴きとどけてくれたからではないかと考えています。
2024年5月11日土曜日
シリーズ「生き抜く」
2024年4月18日木曜日
ガザ=ストロフ パレスチナの吟(うた)
5月10日、外大TUFSCinemaのパレスチナ・ドキュメンタリー映画上映会で「ガザ=ストロフ」が上映されます。入場無料・事前登録制(先着500人)で18時上映開始。本作上映後にはケリディン・マブルーク監督のトークも予定されています。
「2023年10月中旬、イスラエルによるガザ地区への軍事攻撃が始まってから10日後、共同監督の一人である友人のケリディン・マブルークからショートメッセージが届いた。「撮影から10年以上経ってもこの映画が今日的意義を持つとは思わなかった」と。また彼は、パレスチナの人々は常に西洋の視点から描かれ死亡者数という数に還元されてきたが、一人一人の顔を描き世界に伝えることが第一の目的だったと振り返る。本作はガザの地で生きる人々の姿を丁寧に描きながら、同時にパレスチナ問題の背景にある西洋諸国による二重基準、構造的暴力について浮かび上がらせる。ガザでは終わりの見えない悲惨な戦禍が続いているが(2024年3月現在)、作品が持つ「一人一人の声を伝える」力、世界の非対称性についての問題提起は今だからこそ多くの気づき、考えるきっかけを与えてくれる。(上映会フライヤー:「本作について」(二口愛莉:日仏通訳者・写真作家)より)
二口さん、シロウト教員による昨年末映画上映のバトンを、TUFSCinemaの見事な企画へと繋げてくださってありがとうございます!
2024年3月24日日曜日
2024年3月9日土曜日
2024年3月1日金曜日
死と乙女
畏友 飯島みどりが昨夏訳出したアリエル・ドルフマンの夜の戯曲が
このたびリーディング公演で日本語の舞台空間を揺曳するかけがえのない機会が実現しそうです。この一場の時に私もぜひ居合わせようと思います。
「[…]強姦され拷問を加えられ、その上裏切りまでも経験した女主人公パウリナ、その彼女の境遇に我が心は悲憤極まるのだが、だがその彼女は同時に、舞台上には三人のうち誰よりも暴力に走る人格として登場し、それゆえ彼女への問いかけは他の二者に優るとも劣らない難題であった ー あなたはあなたを拉致した男たちと同じ部類の人間になろうとしているのか? あなたはまたテロルの円環にいついつまでも身を預けることになるのか? もしも向こうが忘却を要求してくるとするならいったいあなたは許しを代価として支払うことができようか?」 (ドルフマン「日本語版へのあとがき クーデタ五十年後の死と数多の乙女たち」より)
「拷問は音楽と相性がよい[…]ラテンアメリカの「汚い戦争」こと一九六〇~八〇年代の軍政・内戦期に材を採る劇映画の数々は、拷問室にはラジオがつきものだったと教えてくれる[…]心おきなく拷問を遂行するには痛めつけられた政治犯が声を上げようとも近隣に聞き咎められない仕掛けが要る。そこで拷問が始まるとラジオの音楽専門局ー最も好都合なのはロックであるーの放送をボリュームいっぱいに流し隠れ蓑とする手が使われた」(訳者解題より)